(プレイ日記)世界樹の迷失。

ゲームブック調のメッセージは、私にはちょいとわかんない。
 方々で好評を聞くから概ね成功ではあるのだろうけど、私自身はその辺に特に思い入れのない人間なのでちと同調しかねている。
 敢えて意見を捻り出すとすれば「地のメッセージとしては、主張しすぎている気がする」になるんだろうか。
 とは云うても、気に障る部分は特になく。むしろ、このゲームと他のゲームとを隔てる良い外連味になっているように思うし。喜んでいる人も多いので問題もないとも思う。


 とか。「主張」と云う連想に合わせてナレーターみたく人間がパーティに随行しているような妄想で暫く遊んでみたらちょっと面白かった。途端に舞台劇になるんだよね。
 森の中を歩くのも、パーティ一行は足踏みしてて背景の小道具だけが移動してんの。
 ひとしきりにやにやしながらその妄想で遊んで割と簡単に飽きたので普通の妄想に切り替えて。
 そんな訳で以下は B4F 道中の話。パーティのイメージが固着し始めたのでこの辺から妄想分多めでお送りします。
 ご覧になる方はネタバレに注意してくださいまし。




・初の採取ポイント発見。
「採取」てのは要するに薬草になる草花を見分けてそれを摘みとるスキルであり、それが可能なポイントて事は要するにお花畑なのだろう。
 ささやかな花の咲く茂みで、パーティの為を思いながら鼻歌交じりに花を摘む少女。
 良いじゃないですか。
 と云うイメージを持ってたんだけど。件の初の採取ポイントは B3F でな。敵さんがかなり獰悪になり始める合いで、そのただ中で花摘みを始める娘子。そこから連想される情景は。
 いつ魔物が襲ってくるか気が気でないパーティ。と、鼻歌交じりに花を摘む少女。
 襲ってきた魔物を撃退するパーティ。と、「わ。蜜リンゴみっけー」と呑気な少女。
 

・それはそれとして B4F に踏み込むと――何かもう、新しい階層に踏み込む毎に立ちすくんでる気がするけど今回もそうだった。
 マップ上に確認される、foe。合計4体。しかもそれぞれ近い距離を徘徊している。
 ……集団行動する foe て反則っぽくねェですかと絶句しかけて、自分たちが帯びている「狼狩り」と云う任務を思い出す。なるほど。狼は狩猟動物だった。
 新しい階に降りて直ぐ foe に挑むのはちょっと怖いが、階段にほぼ近い場所にも存在している。無視して進むのは難しそうだし、探索の最中に行き当たるよりかは早めに駆逐しておくべきだろう。それに、儂らにはツスクルさん(の持っている水)があるのだ。アリアドネの糸をちゃんと持っていることを確認し、集団の中からなるべく離れている奴を選び挑み掛かる。
 戦闘画面に表示されたのは想像通り、狼。
 バックガードと逃走準備を選択し、慎重な姿勢で第一ターン。与えられたダメージはなんとでもなる数値であり、別段特殊な攻撃というわけでもない。にも関わらず私は呻き声を上げていた。
 マップ画面の foe を示すアイコンが赤く変わり、こちらに集結しつつある。
 うええ。
 さすが狼。
 早めに気付けて良かった。このまま戦闘を続けていれば複数匹続けて乱入されるか、さもなくば逃げ場を奪われていただろう。取り敢えず次ターンに全力で攻撃。ひとまず、上の階層へ逃げ帰る。
 各個撃破さえ出来れば恐るるには足りない敵だろう。その割に経験値はけっこうおいしいし。確実に行こう。確実に。


 それにしても。このゲームにおける foe て存在はほんとに素晴らしいな。ゲーム的に。緊張感に戦略性、思考材料。foe の存在が一つで加味されたゲーム性は数え切れないほどだわ。


・やっとこさショートボウが店頭に並んだ。随分前に、商店のシリカさんから素材集めを依頼されていた武器だわ。
 報酬としていただいたそれを装備してみると、「携帯性を重視した〜」と云う説明の割には威力が高い。まあそれも、多くのゲームの初期装備であり、ついでに現時点の最強装備である「ショートソード」と比較しての事なのだから、後々になってたかが知れた威力なのだと気付くのだろうけど。


 ……と云うことは。もしかして。
 ネズミだとかウサギだとか抜かしてる癖になんでそんなに強ェんだよこの齧歯類
 とか思ってたけど、そうじゃなくて、私らの方が初級も初級も冒険者でぺーぺーの弱さなだけだったりするんかも。


・商店ってシリカさんとこ以外にもあんのかね。プレイヤー一行はお得意様てことになるんだろか。


・レンさんとかツスクルさんとか。おいおい二人だけで大丈夫なのかよこの敵の強さで。等と思ってたけども、大丈夫なんだろうな。今はただ圧倒されるばかりのこの辺のモンスターも確かにLv30もあれば……いや、もっと低くても平気かな。20前後でもう一人でも十分蹴散らせそうだ。
 しかもツスクルさんの対応をみるに、自身の強さだけでなく準備も抜かりないみたいだし。
 いいね。玄人っぽい。


・B4F には採掘ポイントもあった。
 と云うことで採取専用のバード「グラジオラス」と、採掘専用のレンジャー「オキナ」の各スキルレベル10を達成。
 こうしてみると、レベルアップは結構早い。二次、三次のキャラ育成も問題なく行えそう。
 ……「癒しの子守歌」の性能ががっかりさんだったバードのあるはの育て直しでもしようかなあ。と誘惑にかられるけれども、まああの娘はキャラ設定的にも足手まといさんで丁度良いし。育て直せば確かに楽にはなるだろうけど今のままでも十分戦えている。
 それに RPG なんてのは役立たずさんが一人混ざってくるぐらいがちょうど良いのさ。
 休養と云う、スキルを振り直せるシステムもあるのだし。
 それよりかは採取用のキャラを育てた方が後々の為にはなるだろう。


・そうして往復しているうちに、新しい装備品がちらほら揃い始めた。
 単に防御力が上がるだけでなく、HP上昇・AGI上昇・TP上昇など追加効果のあるものが多く、選び甲斐がある。
 思わず色々と買い込んで、商店を出て、早速装備。
 ところで、このゲームは戦闘中や一部イベントメッセージ中などを除き、殆どの場面でボタン一発でステータス画面を呼び出せる素敵設定がある。それは、入る施設を選ぶ場面、要するに街の通路な場面でも呼び出せるのだけど。
 ふと。天下の往来で装備品広げてたりすると通行の妨げになってるよーな気がして。
 酒場まで移動して装備をしたりとか。