99ROOMS

 インタラクティブ・アート。とでも云えば良いのかな。
 ダークな路地裏をらくがき鑑賞しつつ散策する flash。多くのらくがきに flash らしく仕掛けが施されていて、それを作動させないと次に進めない場合もちらほら(それが少し、制作者のエゴみたく感じられて少し鼻に付いたりはしたけれど)。その仕掛けの多くが、「ほら。このらくがきってこんな風に見えない?」て提案に繋がっていて素朴に面白い。例えば、カンガルーだかワラビーだかの動物が心持ち天井を見上げてて、そこに釣り下げられている電気スタンドを上げちゃうと飛び移れないのが不満なのかキィキィ鳴き始めてしまう……だとか。flash ならではで良いですね。
 治安の悪そげな廃墟じみた路地裏をおっかなびっくりの怖い物見たさで周遊する。そんな気分で観るのが丁度良い。
 好きな部屋を挙げるとキリがなくなっちゃうから一つだけ選ぶと、ペンキを下地に描かれた、首の二つある鳥みたいな生き物が居る部屋が好きでした。そのペンキは塗られてからずいぶん経ったらしく、端っこの方にマウスカーソルを持っていくとそこから少しぺりぺりと剥がれ落ちてしまう。二つある首の一つはそれを見詰めているようにも見えるし、もう一つはそれから目を逸らしているようにも見える。ともかく、鳥がどう感じているかに関わらず、崩壊は進んでいるのだなあ。と。
 それとは別に、魚の釣り下げられた部屋が好き。私も自分の部屋にこんならくがきしてみようかな。